間違えていた遊戯王の処理シリーズ
今回は、効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカードの効果の発動について。2020年4月1日のルール改定によって、効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカードの効果は発動できなくなった。有名な例だと「クリッター」と「D.D.クロウ」の組み合わせ1)。
旧処理
「クリッター」をコストとして発動した「死のデッキ破壊ウイルス」の発動にチェーンして、「D.D.クロウ」の効果が発動し、墓地から「クリッター」が除外された場合でも、「クリッター」の効果は一連のチェーン処理後に発動します。(この場合でも、「クリッター」の効果は墓地で発動した扱いとなります。)新処理
「クリッター」をコストとして発動した「死のデッキ破壊ウイルス」の発動にチェーンして、「D.D.クロウ」の効果が発動し、墓地から「クリッター」が除外された場合、「クリッター」の効果は一連のチェーン処理後に発動しません。
この様に、効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカードの効果は発動できない。テキストには、そのカードの効果が発動する条件と、その効果が発動する場所が記されていると解釈する様に変更された。「クリッター」の「墓地へ送られた場合」は、「墓地へ送られた場合、墓地で発動する」と解釈する。
では、リリース行為が発動条件の場合はどうだろうか。例えば、「イーバ」と「サイバー・エンジェルー弁天ー」をリリースして「ブラック・マジシャン」をアドバンス召喚した場合や「天球の聖刻印」をリリースして「モンスターゲート」を発動、チェーンして「D.D.クロウ」を発動した場合など。
チェーン1「イーバ」の①の効果(コスト「サイバー・エンジェルー弁天ー」)
チェーン2「サイバー・エンジェルー弁天ー」
と発動できるか。
答えは、できない。理由は簡単、発動前に発動する場所に存在しなくなった為。テキストには、そのカードの効果が発動する条件と、その効果が発動する場所が記されている。つまり、テキストの「リリースされた場合」は、「リリースされた場合、リリースされた場所で発動できる」と読む。この場合、「サイバー・エンジェルー弁天ー」と「天球の聖刻印」は、リリースされた墓地で効果を発動する。したがって、発動前に墓地から除外されるとクリッターの例と同様に発動できない。ここで、「リリースされた場合」は、「リリースされた場合、リリースされた場所で発動できる」と読み、「リリースされた場合、墓地で発動できる」とは読まない。リリースされた場所が除外ゾーンの場合、除外ゾーンで発動する効果と読む。例えば、「電脳堺狐ー仙々」の存在下で「天球の聖刻印」をリリースして「モンスターゲート」を発動、チェーンして「異次元からの埋葬」を発動した場合、「天球の聖刻印」の②の効果は発動しない。
参考文献
1) ルール改定に伴う変更, https://www.yugioh-card.com/japan/notice/revision/#processing, 2021.02.26
付録
問い合わせた文面と回答
まずはじめに、効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなった
Q.
フィールドに存在する「クリッター」をリリースして「モンスター
相手は、これにチェーンして「D.D.クロウ」の効果をリリース
この場合、処理後に「クリッター」の効果を発動できますか。
A.
ご質問の場合、リリースされた「クリッター」は一連の効果処理後
Q.
「電脳堺狐-仙々」がフィールドに存在しています。フィールドに
これにチェーンして「異次元からの埋葬」をリリースした「クリッ
この場合、処理後に「クリッター」の効果を発動できますか。
A.
ご質問の場合、墓地で効果を発動する前に除外された「クリッター
Q.
フィールドに存在する「天球の聖刻印」をリリースして「モンスタ
相手は、これにチェーンして「D.D.クロウ」の効果をリリース
この場合、処理後に「天球の聖刻印」の②の効果は発動しますか。
A.
ご質問の場合、リリースされた「天球の聖刻印」は墓地で効果を発
Q.
「電脳堺狐-仙々」がフィールドに存在しています。フィールドに
相手は、これにチェーンして「異次元からの埋葬」をリリースした
この場合、処理後に「天球の聖刻印」の②の効果は発動しますか。
A.
ご質問の場合、リリースされた「天球の聖刻印」は除外された場所
Q.
フィールドに「イーバ」と「サイバー・エンジェル-弁天-」が存
その後、チェーン1で「イーバ」の効果のコストとして、リリース
チェーン2で「サイバー・エンジェル-弁天-」の②の効果を発動
A.
ご質問の場合、リリースされた「サイバー・エンジェル-弁天-」